Google DeepMind が Piloting the world’s first double-blind AI evaluations を発表 ── 暗号化で「テストカンニング」を封じる
AIのベンチマーク結果、本当に信頼できるか。もしモデルがテスト問題自体を事前に「暗記」していたら、点数は虚偽になる。Google DeepMindが今回試みているのは、そんな“カンニング”を技術的に不可能にする世界初の実験だ。
▸何が変わったのか
従来、外部機関によるAI評価では「評価プロンプトの共有」か「モデル重みの共有」かの二択だった。どちらかが漏洩リスクを負う構図だった。今回、Google CloudのConfidential Computing環境内の「Confidential Space」を活用し、両者のデータを暗号化して分離した「ダブルブラインド評価」を実現した。評価者はGemini Flash Liteの重みを見られず、Google側も評価プロンプトを見られない。Singapore AI Safety Institute、OpenMined、AVERI、MLCommonsと提携して、このプライバシー保護環境での検証を開始した。
◈前モデル / 競合との比較
従来の外部評価では、評価者がプロンプトを提供するか、モデル提供者が重みを提供するかのトレードオフがあった。今回の手法は、このトレードオフを解消し、双方の機密性を維持したまま評価を行う点を根本から変える。
◈技術背景と意義
イメージとしては、テスト問題と受験生を別々の暗号化された箱に入れるようなもの。箱の中でテストだけを実施し、結果だけ出す仕組みだ。これにより、モデルがテスト前に問題を「見て」しまう(ベンチマーク汚染)リスクが根本から消える。従来の契約やログ管理といった「人間が守る」枠組みから、「数学的に守る」技術的な枠組みへの移行を意味する。
▸こんな人・用途に
・AI安全性を厳密に検証したい政策決定者や規制当局・第三者機関による公平な性能評価を求める企業・AI安全性研究所(AISI)などの研究機関
SOURCE: Google DeepMind (2026-08-27)