Alibaba (Qwen) が Qwen-Drive-1.0-4B を投入 ── 自動運転とVQAをVLM内部で統合
自動運転向けのAIモデルといえば、通常は「認知」「予測」「制御」が別々のシステムとして構成されがちです。それが、Qwen-Drive-1.0-4Bでは少し違う。既存のQwen3.5-4Bというビジョン・言語モデル(VLM)の骨格を一切変更せず、そこに外部モジュールをくっつけるだけで、3D認識から経路計画までを一つのモデルで完結させています。「VLMのまま自動運転できる」という発想が、かなり鮮烈です。
▸何が変わったのか
最大のポイントは、事前学習済みのQwen3.5-4Bのアーキテクチャを「untouched(不変)」に保ちつつ、外部モジュールとしてBEV認識ヘッドとPlanning Expertを付け加えた点です。BEV認識ヘッドは3D物体検出、セマンティック占有予測、BEVマッピングを同時に処理し、Planning Expertはフローマッチングを用いて自車の未来軌道を生成します。さらに、自動運転データと汎用ビジョン・言語データを段階的に組み合わせることで、ドメイン適応とカタストロフィック・フォーゲット(知識の忘却)の両立を図っています。
◈前モデル / 競合との比較
WOD-E2Eベンチマークにおいて、Qwen-Drive-1.0-4BはRFS指標で8.45/7.91(val/test)、ADE 5s指標で1.27/2.67(val/test)を記録。競合のAutoVLA(8.20/7.87, 2.28/2.66)やMindVLA-U1(7.95/7.78, 2.31/2.65)を上回る性能を示しています。特にNAVSIMのPDMSスコアでは、SFT版が88.2、RL版が90.7と、AutoVLA(89.6)やSpanVLA(90.3)に対抗できる水準に達しています。
◈技術背景と意義
従来の自動運転AIは、カメラ画像から3D情報を抽出する「認知」と、それを元に車を動かす「計画」が別々のネットワークで処理されていました。Qwen-Drive-1.0-4Bは、人間が風景を見て「あれは車だ」「次に右折しそうだ」と直感的に判断するように、ビジョン・言語モデルの内部表現を共有することで、認識と計画の断絶を埋めています。外部のBEVヘッドが明示的な3D情報を提供し、Planning Expertがその情報に基づいてフローマッチングという手法で滑らかな軌道を予測する仕組みです。
▸こんな人・用途に
・自動運転システムの研究開発者:既存のVLM基盤を利用した新しいアーキテクチャ設計の参考資料として。
・マルチモーダルAI研究者:ビジョン・言語モデルと制御系AI(Planning)の統合手法、特にフローマッチングの適用例として。
・オープンソースコミュニティ:NAVSIMやWOD-E2Eなどのベンチマークで高いスコアを叩き出すモデルの検証・改良対象として。
◆入手方法・リンク
モデルの重みと設定ファイルはHugging Face上で公開されています。同梱のコードやデモデータ、ドキュメントはGitHubのリポジトリ「QwenLM/Qwen-Drive-1.0」で入手可能です。技術的な詳細は「Qwen-Drive-1.0」のテクニカルレポートを参照してください。
SOURCE: Alibaba (Qwen) (2026-08-27)