Tencent が EVIE-4.5B を公開 ── 100万ページを3.81GiBに圧縮する衝撃
文書検索AIで「軽量化」と「高精度」を両立させるのは至難の業だと思われていた。だがTencentが今回出したEVIE-4.5Bは、その常識を少しだけ崩してきている。特にインデックスサイズに関する数値を見て、思わず二度見してしまった。
▸何が変わったのか
最大のポイントは、学習不要のHAC(階層的凝集クラスタリング)によるトークン圧縮。原本の約750個のトークンを1ページあたり32ベクトルにまで削減している。これにより、100万ページ分のインデックスストレージが3.81GiBにまで縮小される。さらにPrefix-MRL技術により、単一の2048次元線形射影から64〜2048次元へランタイムで自由に変換可能。ViDoRe V3ベンチマークでは、8Bモデルが66.75、4.5Bモデルが66.02という高スコアを記録している。
◈前モデル / 競合との比較
提供テキスト内の比較表詳細はないが、EVIE-8B(教師モデル)が66.75に対し、4.5B(生徒モデル)が66.02と非常に近い性能を実現。特に「Anchor-preserving Relation Distillation(ARD)」による蒸留で、低次元プレフィックス下でもピーク性能を維持できている点が、単なる軽量化モデルとは一線を画している。
◈技術背景と意義
従来の検索は、複雑な表やレイアウトを含むページを「1つの点(ベクトル)」に丸めてしまう傾向があった。EVIEはこれを「遅延相互作用(Late-Interaction)」と呼び、文書内の細かな視覚的詳細(文字の形やチャートの構造)をトークン単位で保持したまま、クエリと照合する。さらにHACというアルゴリズムで、意味的に近いトークンをまとめてサイズを圧縮。これにより、解像度を落とさずに軽量化が可能になったのだ。
▸こんな人・用途に
大量のPDFやスキャン文書を扱う企業内検索システムの構築。レイアウトや表の構造が重要になる法務・会計ドキュメントの検索。ストレージコストを極限まで削りながら、多言語(138タスク評価済み)対応のグローバル文書検索エンジン。
◆入手方法・リンク
Hugging Face上でモデルウェイト、トレーニングパイプライン、HACアルゴリズム、評価スイートが完全にオープンソース化されている。GitHub(Tencent/EVIE)からコードや詳細な技術資料を確認できる。
SOURCE: Tencent (2026-09-04)